mardi 6 septembre 2011

De retour de Fukushima 仏元環境相『福島・死に導く沈黙と嘘』


フランスで、アラン・ジュペ内閣下の環境大臣(95-97年)を務め、現在はEU議員である反原発運動家コリーヌ・ルパージュ(Corinne Lepage) さんが福島を訪問した感想をまとめていました。大臣時代ルパージュさんはクレ・マルヴィル(Creys-Malville)の高速増殖炉停止に成功し、チェルノブイリ事故研究やラ・アーグ再処理工場の危険性を公けにしてきました。また福島原発事故が起こる直前には、老朽化が指摘される仏独国境に隣接するアルザスのフェッセンハイム原発停止を要求中でした。
今回のレポートには 「東京の空港で現在でも放射能測定器4万個が差し押さえられている」「日本は脱原発を決意している」などびっくりするような内容も...。そして脱原発を既に決定したドイツと、今後も原発を推進していこうというフランスと、国内の情報の格差にも改めて驚きました。

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De retour de Fukushima ou le silence et les mensonges tuent 

「福島原発事故がマスコミの見出しから消えてすでに数週間がたちます。フランス人の大多数は、事故はすでに収束したものと思っていますし、汚染水の問題にしても東電とアレヴァ社が事態を完全にコントロールしているに違いないと信じています。避難の必要な 住民は全員避難し、放射線量は着々と低下し、日本ではふたたび原子力発電所を稼動させる準備が整ったものとフランスは見ています。そして、抜け目のないフランスの原発ロビーから定期的に情報を提供されるメディアは、いついつにどの原発が再稼動されるかを報道し続けています。

これはとんでもなく悲劇的に誤った認識です。

数百万立方メートルもの汚染水

今回私は、環境省政務官と事務次官、そして福島県副知事に会見することが出来ましたが、そもそもこうした日本の役人達が、事故はまだ続いており、何も解決していないことを認めているのです。とにかく情報が極めて乏しいのです。炉心三基が溶融し、格納容器の底を貫通したことは認められているものの、現在それがどう言う状況にあるのかは彼らにもわかりません。何よりも最も核心的な点、炉心溶融物がコンクリートの土台を突き抜けたのかどうか、つまり地下水に取り返しのつかない汚染が広まっているのかどうかが不明です。グリーンピースは、汚染水の浄化はようやく始まったばかりと捉えています。また誰も口にしたがりませんが、行政は放射性汚泥の山や数百万立方メートルにも達する汚染水の問題も承知しています。

空港で差し押さえられている放射能測定器

二点目として、福島県の住民達の置かれた立場が文字通り、あまりに悲惨であることも、等しく気に掛かります。私は、女性の有志が立ち上がって数百の世帯をまとめてつくった協会を、二時間あまり訪問しました。彼らの立場はよく理解出来ます。私達フランス人が、チェルノブイリ事故の時に経験したことと酷似しているからです。様々な措置が実施される方法が、私達の過去を髣髴させます。確かに地震と津波という二つの天災が同時に降りかかったために、状況が一時的に混乱していたことは理解できますが、事故発生当時、日本の気象庁が風向き予想図を提供することが出来なかったとは疑わしい限りです。人々は風がどの方向に吹くのかも知ることができませんでした。いかなる指示も出されなければ、ヨード剤の配布も一切行われませんでした。一ヶ月経ってようやく汚染の度合いが公表されたのでした。そして東京の空港では今日も、4万個の放射能測定器が、政治的理由によって差し押さえられています。人々は自分達がどの程度の放射能汚染の中で生活しているのか、知るすべもないのです。

母親達の苦悩

食料について言えば、抜き取り検査は実施されていますが、検査結果が発表される頃には、食料はとっくに市場に出回り消費されています。母親達にとっては、自分の子供の置かれた状況はもちろん最も気に掛かるものです。IAEA(国際原子力機関)参加国として、日本でも一般国民が年間に受けてよいとされる被曝許容量は 1mSv 、原発労働者は 20mSv に定められています。しかし今日では、こうした母親達の住む福島県地域の汚染度は、年間5mSv をゆうに越し、時には20mSvにまで達するのです。子供が年間被曝量1mSvに収まる地域に生きる権利を彼女達は主張します。しかし誰一人この声に対して建設的に答えるすべを持たないのです。

もっと広域の避難を

二つの選択肢が考えられます。一つは、日本でも盛んに話題にされている除染。そしてもう一つは避難です。幾つかの学校の校庭では、表土を50~60センチあまり削り取る除染が行われたそうです。しかし削り取った土を保管する場所がありません。この除染によって汚染度を下げることは出来ましたし、この方法はローカルな単位で実行することは可能かもしれません。この場合除染の効果については調査を行う必要があります。しかしこれを県全体に対して行うことは明らかに不可能です。つまり残された二つ目の手段を検討する以外にないのです。それはこの地域を出たいと希望する住民にその許可を与えることです。勿論地域を出るからには、別の場所で生活していく許可も必要です。
真実はというと、日本の行政は、あるレベルまでの取れるべき措置を取っています。そしてそれがまさに悲劇なのです。というのは 、情報の公開が拒否されているわけですから、国民に本当の状況を察知させるような措置を取ることも拒否されるわけです。

農家への賠償は行われない

技術面でどのような改革や決定を行わなければいけないかを考えるとき、農業を忘れてはなりません。農家もまた無能な行政の犠牲になっていくのです。福島県は県内の農作物の販売促進を試み、風評被害を嘆きます。私自身も今回立派な桃をひと篭いただきました。しかし真実を明かせば、この地域の大多数の農作物は消費されるべきではないのです。けれども消費を阻止するには、生産者の生活を保障するための賠償が行われなければいけません。こうした措置は取られていません。現在の日本が置かれたこのとてつもなく悲劇的な状況は、世界のあらゆる産業国においても同様の危機が同様の結果を引き起こし得ることを代弁しています。だからこそ今、日本に沈黙の覆いが被されるのです。

医師達の代替ネットワーク

医師の口も封じられ、また敢えて口を開こうとする医師も稀です。 私の耳にした話では、小児科医達がネットワークを築いたり、また特に農村地帯で出来る限り人々が被曝から身を守り、また医療ケアを受けられるよう住民の組織を試みる医師達がいるそうです。しかしこうした試みはすべて市民の手によって、行政と平行して、つまり内密にと私は言いたいのですが、行われなければならないのです。というのは、原発業界の上層部は、この事故に起因する疫病に関する精密かつ明確な知識はないと決めつけてしまったからです。私達すべてが、この沈黙の壁に対して抵抗を試みなければいけません。それは子供達を守るためです。今日の福島の子供達は、明日はフェッセンハイムやビュジェ、ブライエの子供達なのかもしれないのです。私達には、発言をし、行動を起こし、現地でこれ以上にない苦難の闘いを続ける団体を支援する責任があるのです。

シッ! 日本は脱原発する?

一方で日本のトップは、たとえ公言はしなくても、自分達の限界を悟っているのではないかと思われます。そして本当の道の選択を決断したように見えるのです。それは脱原発の道です。実際、日本は福島原発事故以来電力消費を全国で28%、首都圏で40% 削減することに成功しました。この興味深い事実は、フランスでは、誰にとっても明らかな理由から、周到に隠蔽されています。日本の57基の原子炉のうち、現在も稼動中なのはわずか14基です。
このような大々的な電力消費の削減は、一連の様々な措置によって得られました。例えば省庁の日中の消灯、冷房の停止(私が数日前京都にいた時には38度もありましたが)、東京の夜間広告の停止、また回転作業を行っている工場システムの組織変更などです。
我々ヨーロッパの住民が、2020年までに電力消費を20%削減できるかどうか議論する時、日本に学ぶべきことは多いのです。交代したばかりの首相は、選挙戦の最中にも、日本が新たな原発を建設しないことを表明しました。つまり脱原発です。それがいつのことになるのかは、もちろん、今後実施されるストレス・テスト、そして現在定期検査のため2012年まで停止している原子力発電所が再稼動されるかどうかに掛かっています。」




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